
冬
1〜2月
H20年度の管理
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木は外観では眠っています。剪定や土の改良、園(ハウス)の整備をします。特に剪定は、昨年伸びた枝をそのままにしておくと春に芽数が多すぎて一芽当たりの貯蔵養分が不足し、良い実のなる枝が育ちません。
そのため、樹齢、地の具合(地力)、樹の健康と枝の伸びる習性を考えて、整枝・剪定を行います。
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春先
3月 |
日増に光も長くそして強くなり、木は発芽の準備を始めます。
木の枝や粗皮に潜む病害虫を活動直前に駆除するため、巻き蔓や、粗皮を剥いで焼却したり、発芽前の薬剤散布をします。これが減農薬栽培の決め手です。なお、その年使う生産資材の調達や園地周辺の環境整理も行います。
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春
発芽初期
4〜5月 |
桜便りの聞かれる頃から芽が膨らみ発芽が始まります。5月になると勢いよく新梢が伸び下旬頃から6月初めにかけて開花です。1節の芽から元気な枝は3芽、普通は2芽発芽するため、「芽かぎ」といって一定面積内の枝数を調整し、更に1枝の花房数も1枝1房に摘房し、無駄な養分消耗を防ぎます。
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初夏
開花前
5月下旬〜6月頃 |
枝、新梢の生長と花穂の開花に向かう成長とが重なるため、枝と花の養分競合が起こります。放置すると実どまりが低下します。そのため、花穂に養分を多く送る必要から、開花直前に枝の先を摘み(摘心)伸長を抑え、大きな花穂は小さく(房の切り込み)します。
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開花直後
5〜6月 |
種無しぶどうは開花期前後に植物性ホルモンを人工的に高濃度にして種の形成を阻害します。一般にジベレリン処理といって、開花直後と2週間後の2回、水に溶かしたジベレリンをコップに入れ、その中に房を浸します。
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夏
幼果期
6月 |
ぶどうの粒は日増しに大きくなり、放っておくとトウモロコシのようになり、やがて裂けて腐ります。そのため、1粒ずつが肥太出来るよう密着した部分の粒を間引きます。(粒間引き)品種にもよりますが、約200粒を30〜60粒に調整します。これで房の大きさや房の形が決まります。
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夏
6〜8月 |
気温が上がり、日照時間も最大となり、ぶどうは成熟に向けて生長を続けます。粒間引きを1房につき前後2〜3回調整実施。完了したものは袋かけをして病害虫はもとより鳥獣害を防ぎます。
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夏 初秋
成熟期
8〜10月 |
早い品種は7月に入ると着色が始まり、約40〜45日後には収穫可能となります。この頃の1日の温度差が大きいほど着色が促進されます。熱帯夜が来る以前に収穫できる加温栽培は有利ですが、熱帯夜が続く頃に着色を始める品種は味はともかくとして着色は劣ります。
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仲秋
収穫期
9〜10月 |
殆んどの品種が成熟期となります。当研究所の珍らしい世界のぶどうの詰め合わせの出番です。1年中で最多忙な時で、午前中早くから収穫し、日中に箱詰めして、夕方宅配便で出荷します。翌日の午前中には皆様の手許に殆んど届くようになります。
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収穫後
10〜11月 |
収穫の終わった木は来年のための貯蔵養分を蓄積する大切な時期です。そのため、葉の健康、根の健康維持のため礼肥といって堆肥を与えます。化学肥料を排して、地力向上に苦心しています。
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落葉
休眠
11月〜春まで |
短日〜低温化で、自然界の紅葉に呼応するように、ぶどうの葉も一斉に、黄化→紅葉→落葉します。この状態をよく観察して、木の健康診断を行い、次年の栽培計画を立てます。落葉は焼却しますが、落葉が遅れると養水消耗が心配されるため、12月には手で摘み取ります。
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その他
4〜10月 |
・ 農薬を可能な限り使いたくないため、病害虫防除は年間4回を基本にしていますが、必要に応じてスポット的に行う場合もあります。
・ 年間の潅水は、10〜3月は7〜10日おき、4〜9月は4〜7日おき、樹枝、天候をみながら増減をしています。
・ ハウスの温度管理…発芽前の3月から5月中旬頃までは、夜間の保温と日中の換気は日課となります。
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