●暑中お見舞い申し上げます
台風6・7号の通過で大きな被害の出た地域の報道を見ながら、各
地で皆様どうされておられるだろうかと案じております。心よりお
見舞い申し上げます。
ようやくぶどうのご案内が出せる季節となりました。どうぞ今年も
お嫁入り先が決まりますようにと念じながら日々管理をしておりま
す。どうぞよろしくお願い申し上げます。
7月に入りましたらご案内をお届けしようと思っておりましたら台
風の関係で新しい土地に植えたぶどうの簡易雨除けを補強・修復と
いう仕事に暇どり、とうとう各地の皆さんから
「今年はまだですか?」
「注文書が来ないのですが…」
とのお声をいただくようになりました。また前回お便りをするのが
面倒くさくなったようだと書いてしまいましたため、「楽しみに読
んでいるのだからがんばって…」等々励ましのお便りをいただいて
しまいました。ご心配をおかけしてしまい、申し訳ございません。
がんばります!

●最近の情勢から
農産物のJAS規格の問題で私の考えを前号で記しましたが、その杞憂
が的中し、残念です。関係者の反省だけでは体質まで改善可能でし
ょうか。
目を転ずれば世界はテロの横行と不況、内には政治不信と不況、身
近には農産物の偽証・不当表示・輸入農産物の残留農薬問題等々、
消費者不在の事件の続出です。
当研究所では、改善課題は色々ありますが、こんな時代だからこそ
どこのどんなぶどうよりも安全で美味をモットーに育成しなければ
と思っております。
有機栽培は植え付け以来継続していますが、無農薬栽培は目下私の
実力では無理です。その理由は、砂漠生まれの病気に弱いマスカッ
ト系中心の高級種のぶどうばかり栽培しているからです(アメリカ
系の耐病性の強い品種か僅かな栽培面積であれば別)。
いかに減農薬を実現するか、過重で過酷な栽培に挑戦するしかあり
ません。

●栽培の経過
例年より10日早い春の訪れ、芽吹き後順調に育ちました。しかし、
5月下旬の開花期に雨天が続き心配しました。
その後は好天に恵まれ回復、但し、高温が続いたかと思うと突然に
低温が続くなどで粒の肥大は今一歩です。6月下旬頃から着色が始
まり、その経過を見ながら結果量を調節し、袋かけを終えました。
収穫予定は、8月下旬かと思われますが、これから先の天候と樹の
生理生態の変化に応じた適切な管理が仕上がりの決め手となります。
今年こそ快心のぶどうをお届けしたいと祈りながら汗を流しています。

●最近の話題
@第二農場建設
4月上旬に埋め立てを完了。果樹栽培を楽しむ会の皆さんの応援で
整地、中旬には苗木30本を植え付け簡易雨除けを作って育ててい
ます。今、170cmほどの樹に育っています。3〜4年先には、収
穫が始まるでしょうか。

A品種改良
若者4名にノウハウを伝授、赤や黒の皮ごと食べられる種無しマス
カットの育成を目指して交配しています。
「秋峰」(しゅうほう)は3月に登録品種として公表されました。
これで7品種新品種の登録が出来ました。

Bマスカットオブアレキサンドリア
岡山の誇るマスカット、百年の歴史を持つマスカット。
しかし最近では消費低迷のためマスカット農家から桃太郎ぶどう(
瀬戸ジャイアンツ)に転向し始める農家が増えています。
美味しくて皮も食べられて種がないと三拍子そろったぶどうにマス
カットが勝てなくなったのでしょうか。

C「世界のぶどう詰め合わせ」
珍しいぶどうを詰め合わせてお送りすることは私の夢ですし、自慢
でもあります。日本人好みの美味しいぶどうの追求をと、改良を続
けて来ました。登録出来た品種が7品種、名前のない育成中のもの
を入れるとまだまだ沢山あります。外国産のものより優れた品種です。
そうなると世界のぶどうではなく、花澤のぶどうになってしまいます。
箱もパンフレットも「花澤のぶどう」に変更したらどうかとのお声
もあります。どうしたものかと悩んでいます。

Dテレメンタリー2002(TV朝日系)
5月に30分番組で私と北鮮のぶどう栽培の指導のことが全国放送
されました。ノドン・ラチ・フシンセン…等々日本人にとって素直
に理解しにくい状況下です。決断するまでに時間が要りましたが、
武器を生産するのではなく平和な手段でこの極東の平和と安定を早
く実現するために何か役に立つ日が来るのではと念じ捨石を覚悟で
協力しました。後日、継続取材されたものがまた放映されると思い
ます。

暑い日が続きます。どうぞご自愛下さいませ。

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