●暑中お見舞い申し上げます 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。 今年もぶどうのシーズンが到来しました。暖冬と早い春の訪れで 生育が例年より十日ぐらい進んでいます。 そのため今夏は八月中旬頃から出荷が始まりそうです。 当研究所自慢の沢山の品種が各々に色づき始めており、心配した 異常気象の悪影響も少なく、例年にない素晴らしい実りを迎えつつ あります。 昨年の暮れにキオスクで桃太郎ぶどう(瀬戸ジャイアンツ)の販売 反省会がありましたが、その席で「二十一世紀はこのぶどうの時代 になるだろう」と嬉しい賛辞をいただきました。我が家でも、新植 した桃太郎ぶどうがぐんぐん成長しており、来年は単品種受注も可 能となりそうです。 又、マスカットデュークアモーレが今までになく美しく着色(紅色) しつつあり、毎日ハウスへ入るのが楽しみです。 イタリアやフランスの誇るロザキを数段しのぐ新しいマスカットも 誕生し、ご試食いただけるものと思っています。 その他、赤くて可愛らしいピッテロビアンコや個性豊かな珍しい品種 が実っています。 けれども、総てそれらを詰め合わせることは残念ながら不可能です。 機会があればご来園いただき、ご試食いただきたいものです。 ●ご来園について より多くの方々に生産現場に来ていただき、すばらしい実りの実際を ご覧頂きたいと考えます。ただ、いつでもというわけにはいきません ので、下記の件にご協力ください。 @必ず事前に日時をご相談ください。 責任者(花澤茂)が不在の場合は収穫できません。他所へ指導のため 出張いたしますので Aグループでご来園の場合、10人以上はご遠慮ください。 (但し、農業者の視察は除きます。) B観光ぶどう園とは異なり、研究用のぶどうが多いので、指定したも の以外は自由に採れません。 ●天候異変? 4・5月…ぶどうの花が咲くのが早いもの遅いものとあるのですが、 今年は同時に咲き、どれも手入れが必要となり、一刻の休みもない 程頑張りました。 6月…雨が多かったり曇りの日が多かったりで、日照不足。一番大切 な時期に光合成が妨げられ、生育が危ぶまれた時期がありました。 7月…高温、多日照。果実の水分調節が間に合わず、日射病にかかっ たぶどうがありました。粒が黒く、腐り、ポロポロ落ちてゆくのです。 (一品種だけです) ないしょ話…実は”小粒だけ間引け”と言われていたのに、粒の小さ い時と同じような間引き方をした私に責任があったようです。反省し ています。 ●皮にがん抑制効果?ブドウは皮ごと食べるのがよい(米科学誌に論文) 日本人ぐらいきれいに皮をむいて食べる人種はいないそうです。 私は研究用のぶどうを食べる機会が多く、皮のまま口にポン。 肉ばなれならぬ皮ばなれを調べながら。 ●ぶどう農家を見学させていただきました 一日に8件のぶどう園を見学して勉強させていただきました。とても 上手に栽培されているところばかりでした。 主人について歩くと疲れがひどかったのですが、今年は自然な感じで 回れて、自分でも驚いています。慣れたのでしょう。 根本的に他家と違うところは、主人のぶどう作りには、常に研究が 先立っており、ぶどうの成長を見守りながら育つのを助けているだけ だという点です。それが分かっただけでも、私には大きな収穫でした。 作り方の違いはあって当然でしょうし、その違いから美味しいもの 珍しいもの等が生まれてくるのですから。 ●どんな事でも決して一人では出来ません ”ハウスの片付けをしよう”と話しながらアルゼンチンの方へ旅に 出て行った主人。帰って来てもたまっていた作業でなかなか片付け まで手が回りません。 果樹栽培を楽しむ会の有志の方々が手伝って下さってきれいになり ました。小屋の前のテラス風なところも、ご近所の方々が加わって 下さって、今までよりも広くなりました。今日は小屋の窓に網を 張っていただき、少しずつですが仕事がしやすくなっている我が家 です。 案内状が早く出来なかったために既に注文を承った方々もおられ、 ありがたいことだと話したことです。 ●今年は本当によく手伝いました 高血圧、肥満…に悩まされて医者通いをしていた私が殆ど病院とは 縁が無くなり元気になりました。農作業を手伝うようになったお陰 で、体重も減少傾向にあり、イライラしなくなったら血圧も正常です。 そして何より嬉しいことは作業時間が長く続くようになったことです。 ”習うより慣れろ”という言葉どおりです。(でも「同期会」に行って 息抜きさせてもらいました。) 剪定・枝の片付け・草取り・粒間引き・芽つみ・袋かけetc. 手伝って下さる皆さんと共にがんばりました。(家の中の仕事も細々 とあるのですが、両立するところまで行きません)とにかく力を 貸して下さった方々に心から感謝しながらお便りをお届けします。 どうぞ今年もぶどうを食べていただけますように。 続き(第6号)を読む 前(第4号)へ戻る 第5号PDF形式