ぶどうの生育と管理

今年は花澤ぶどう研究所のハウスぶどうの生育と主な管理の状況をお知らせします。消費者の皆様にお届けできるまでのぶどうの育て方をご理解いただければ幸いです。「百聞は一見に如かず」です。ご興味、関心のある方は、ご来園、ご視察ください。但し、現場は多忙な毎日ですので、必ずアポ(予約)をお願いします。

January1月  

1 生育状況

今月は落葉後の深い休眠期中で、木は静かに休んでいます。枝、根を切断しても影響の少ない時期です

2 主な管理

① 整枝
棚上の樹型を管理しやすいように整えます。樹の性質を上手く活かして整えます。
マウスを写真上に置くと、もう1枚ご覧になれます。


② 剪定

さらに細かな部分の枝の不要部分を切り取り剪定し、今年発生する枝の生長を調整します。切り取った枝は集めて破砕して堆肥にします。


③ 園地の整備(1/42~/21)
この時期は、スムーズな管理ができるようにハウスの補修をしたり落葉や雑草などを除去し、清潔なハウス環境を整えています。

そうすることで、越冬病害虫などの生息密度を少なくできます。そして充分休眠をさせるため、ハウスの側面や天井の一部を開いて換気し、低温に遭わせます。
 
④ 園地周辺の環境整備(1/23、2/21)
ぶどうの日照の妨げになる雑木、害虫の棲家になる雑木、雑草の除去作業、運搬道路などの点検など日ごろ見落としやすい部分に注意します。

⑤ 潅水
落葉中のため葉から蒸散する水は不要ですが、根は自己保存のために水が必要です。土の表面から水が失われ、鉢植えの植物が水不足で枯れるように、過旱にならないよう7日~10日おきに約10~15㎜水を与えます。


February2月

1 生育状況

今月も前月に引き続き外部が寒いため休眠しています。しかし樹体の中では休眠が覚め発芽に向かって動いています。剪定した枝では小さな芽がふくれてきて、1月ごろには枝の切り口から樹液漏出が見られます。このようにして発芽準備が着々と進んでいきます。

2 主な管理

① 保温(2/9~ 2/15)
ハウスの窓を閉め内部を二重のフィルムで覆い保温を始めています。日中はハウス内が30℃以上になれば窓を開けて通風し25℃前後に保ちます。夜は冷えすぎないよう窓を閉め保温します。今年は暖かい日が多いので昨年より約2週間早く保温を開始しました。毎日窓の開閉作業が始まりました。路地のぶどうより約3~4週間早く発芽します。

②潅水
潅水は先月と同じですが、発芽が始まるころより、1回の水の量を減らして回数を多くしています。

③土つくり  魚粉施用(2/23~24)

魚加工屋さんの厚意で魚粉を入手し1株当たり約2kgを散布し土に混合しました。化学肥料は使いません。その上を僅かな土で覆いました。


March3月

1 生育状況

露地と新ハウスは開放したままです。3月寒の戻りか芽の動きが遅れています。二重被覆保温ハウスは中旬頃より発芽が始まりました。
先ず、芽が膨らみ青味を帯び数日のうちに展葉が始まりました。下旬頃には、ほとんどの品種が発芽状態になります。

ここをクリックすると発芽のようすを見ていただけます。

2 主な管理


①保温と水分管理 

日照時間が長くなり光が強くなります。一日の温度変化が大きく、 その対応にたいへんな季節を迎えました。葉がまだ出ていないために土地表面も直射日光で乾きやすく、小量多潅水の時期になりました。そのために外出は容易ではありません。
②発芽前防除(3/7)
発芽前に越冬病害虫の活動寸前の第一回の防除です。
病気対策にベントーレ水和剤200倍液と害虫対策にオマイト水和剤750倍液を混合散布しました。

 

③CFW試用(3/6  3/10  3/22)

魔法の水となることを期待しクリンフィルドウォータ(次亜塩素酸水)の強力殺菌作用を期待して、土壌潅注と樹体への散布をしました。成果を期待しています。成功なら無農薬栽培へ夢が拡がります。
CFWの土壌処理1株20~50ℓ潅注しました。

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April 4月

1 生育状況
ハウス内の温度が30℃近くなると、サイドと天窓を開けて温度の調整を始めるのが毎日の作業です。1芽2芽・・・と発芽してくる枝を見つめて樹の状態を観察します。新芽が30cmぐらいになるまでは、前年の貯蔵養分で育ちます。それ以降は、新しい葉で作られた養分でと移行しながら生長をします。赤ちゃんで言う「離乳食」の時期とでもいうのでしょうね!
芽かぎ 1箇所(節)から2・3芽出てくる新芽が、5~ 6cmの枝になる頃に枝の良否がわかります。生長させる新芽は、1㎡に4・5本という原則と照らし合わせながら、必要な枝数にします。
摘房
2房 →1房





1枝に着生する花房数は、(品種の特性にもよりますが)大体1~3房ぐらいです。原則として1枝に1房として、不要な房を見分けて早めに摘み取り、残した花房の発達を助けます。
枝の棚付け・摘心

気温の上昇と日照時間が長くなると、新梢の伸長が始まります。
約10節(10葉ぐらい)伸びた頃、新枝の先端を摘み取り、伸長を抑えて、枝と花房の充実を図ります。目標は1房700g大粒で糖度18℃以上のぶどうに仕上げます。


2 主な管理
これらは各樹一斉に活動(成長)が始まりますので、作業能力を考えて発芽開始時期がずれるようにハウスの温度管理をしています。
連休頃には枝葉が棚いっぱいに広がります。温度管理、水管理、無農薬化を目指したCFWの散布等、生育に応じた管理で忙殺されます。

これらの作業は、各樹一斉に生長が始まるため、発芽開始時期がずれるように、ハウスの温度管理します。
a  周囲を全部閉めて二重にフィルムを張りめぐらしたハウス
b 周囲を全部しめただけのハウス
c 天窓だけ閉めて周囲は開けておくハウス
d 雨除けだけしているレインカット
こうする事によって作業が集中しないように考えていますが、自然はなかなか容易くはありません。


May 5月


新梢の棚づけ
①立った枝 ②伏せた枝
新芽は初期に、上に向かって伸びますが、放任すると風や自分の重さで折れたり、枝が伸びても花穂の成長が遅れたりします。そのため摘心が終われば、枝を棚上に伏せてやり、枝葉が重なり合わないように配置します。
       花穂整形前→後 
1房(花穂)をよく見ると、約1000~2000の蕾がついています。
このままだと、大房すぎて1粒ずつの花蕾は栄養不良でよい実のついた房になりません。そのため開花直前に、大房すぎる花穂を予定の大きさにするため、不要部分を切り捨て整形します。

マウスを写真上に置くと、整形後の花穂がご覧になれます。
たねなし処理

満開直後に生長ホルモン(ジベレリン)の溶液を入れたカップに花穂を浸します。そうするとタネナシになります。その後、さらに2週間後もう一度処理すると果実の肥大が促進されます。
副梢の摘心
副梢の伸びているところを切っている
4月下旬頃より新枝が10節くらいに伸びたころ、先端を摘心しましたが、そうすると各節の葉脈から新芽(副梢)が一斉に発生します。

そのため花房へ送る養分が横取りされるため早めに取り除きます。この作業は新芽が発生する夏の終わりごろまで続けます。


粒まびき
開花が終われば気温も高く日照時間も長いため急速に粒が太ってきます。数百粒着いているため(1粒の重さX粒数=房重1房約500~600g)40~50粒に間引きます。
これが一番技術を要する作業で時間がかかります。

 CFWの散布
農薬を止め月2~3回散布します。安全なぶどうが育っています。